小説

2012年10月16日 (火)

肉付け

TLで見かけたネタがものすごい気に入ったので、勝手に肉付けして物語りに仕立ててしまおうと思ったのですはい。

最近日記があんまなくって小説項の更新ばっかなのは何もネタないからだよ☆

物語りと小説って別もんじゃねーかコンチクショーって文句は受け付けません。

何故ならばうちのブログの小説項で物語り以外だったことなんてないからです←

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2011年12月22日 (木)

Jolly Noel

1年で1番リア充な日、クリスマス。

その代名詞サンタクロースの妻こそリア充オブリア充、キングオブキング、つまりリア王(違)なんじゃないのとかそうじゃないとか、まぁその辺ぐちゃぐちゃしたアレを書いてみようと思ってだな…

短めで人死なない系をそろそろ書かねば。

物は試しと絵本口調にしてみた!教科書の朗読CDみたいな声に脳内変換してね!ね!

こんな子供向けのお話でもきっちり数字を引っ張ってくるのが理系クオリティです(キリッ

サンタさん丁度4世紀ぐらいに出現したらしいから、今サンタ暦約1600年目ぐらいなのよ!知ってた?

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2011年12月19日 (月)

Re:

昔の自分の小説みたら当時は長く書いたつもりだったのに実際はすっげー短かったので改めて同様のコンセプトで書き直そうと思ったのですハイ。

中3のときに書いた某症候群の方はそっと消しておこう・・・・いや、残ってる方が読み比べできて面白いかな?こいつです→悪夢症候群

年を取ってよかったことは何といっても書ける量が増えたことよね☆

いや、年齢じゃなくって二次の訓練の賜物か。原稿用紙1枚がこんなに物足りなくなる日が来るなんて中学生の頃は想像だにしてなかったわ。

400字は、短い!

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2011年9月 8日 (木)

くそみたいにちゅーになもんかいてみたいからかいてみた

例えば一人の人間がいたとしよう。

彼が何ら問題なく存在していくためには、彼の存在は存在することに適合しなければならない。

ではここに存在不適合者を仮定してみよう。

全宇宙の物理法則から爪弾きにされ、存在するべくして存在していない、まるで虚数のようなそんな在ると無いの間の宙ぶらりんな存在を許されない、そして他の存在を脅かす存在。

~マージナルマン~

「…と言うと、何かね、君自らはやってない言うのかね。」

「はい、刑事さん。」

その刑事は一通り男の話を聞くと嫌そうに顔をしかめた。

「いやしかしそうは言っても君は殺人犯であるという容疑は晴れないんだよ。…はぁ…あーちょっと、君、君、彼を精神鑑定の方へ回してくれるか?精神科なりカウンセラーなり手配してくれ」

「!!なんでですか刑事さん!私は至って正常です!私は人に手を下したことはありません!」

「最初はみんなそう言うんだよ。況してや君は重罪の容疑をかけられてるんだからね。慎重すぎるぐらいでいいんだよ。」

すると子供に諭すように彼は肩をぽんぽんと叩いた。

チラリと時計を見る。12時46分丁度を指していた。

「…信じてくれないならいいです。ですが僕を拘束するだけじゃまた人が死にますよ…。刑事さん、あなただって僕と接触したからにはあまり良いことにはならないと思いますが…。」

「はいはい。お?来たか、バトンタッチだ!いやーなかなか手強いから気をつけろよ?ほら君、こいつに全部話したまえ」

男は腹立たしさよりむしろ悲しさを感じていた。どうしてこう普通と違うことが起こるだけで精神異常と決めつけて話さえも聞かないのか。折角警告してるのに!たまらなくもどかしかった。

ぼんやりとどこを見るでもなく視線を落としている男に、刑事の呼んだ男が優しく話しかけてきた。
「はじめまして、江村と申します。さっきのお話、私にも聞かせてくれませんか?」

彼は背の丈がやや高く、銀の丸い眼鏡の奥の柔らかな眼差しが印象的な男だった。

「構いませんよ、が、私に関わるとろくなことになりません。それでもいいですか?」

彼は応える代わりにもう一度微笑んだ。

「初めて違和感を感じたのは去年の冬のことでした。

うちで可愛がっていたクリスマスローズが突然枯れちゃったんです。元気だったのに。

最初は肥料の量間違えたかな?とか水あげすぎたかな?とかそれぐらいしか考えてませんでした。

そして仕方ないから処分しようと思って鉢植えのクリスマスローズを引き抜いて気づいたんです。根が丸々ないって。

猫がやったのか、子供がやったのか。僕は大切なクリスマスローズをダメにされたことに憤りを覚えました。

そしてその数日後、僕の愛犬が突然死んでしまいました。

一人暮らしの僕にとっての唯一の家族だったので僕は絶望と悲しみに潰されそうでした。

本当についさっきまですやすやと眠っていたし、日中は跳ね回ってピンピンしてたのに!

まだ4歳でしたし寿命じゃないのは明らかでした。

病気に気づいてあげられなかった…と、犬を抱き締めてみてはたと気がつきました。

あまりに軽い、と。

ゴールデンレトリーバーの体重は40kg近いはずなのに、まるでぬいぐるみを持ち上げたかのような手応えのなさに僕は狼狽しました。

犬の胸を叩くとポンポンと太鼓のような小気味のいい音が鳴りました。

そして僕はしばらく考えて覚悟を決めてから、彼をカービングナイフで開いてみて、彼の内臓という内臓が何もなく、腹腔がすっからかんだということを知りました。

誰かにやられたのかとも思いましたが傷口はありません。

涙は引っ込んでしまってました。

僕の悲しさは恐怖に飲み込まれてよく分からなくなっていたのです。

しばらくして年末の頃になり、僕は実家に帰りました。

久しぶりに食べる温かなお袋の料理でここんとこ起こっていた不可解な事件のことを束の間忘れられ、痼を解されたゆったりとした気持ちで、新年を迎える準備に親父と倉庫の整理をしてた時です、突然親父が倒れました。

お袋が必死に親父の名前を呼ぶ傍ら、僕は救急車を呼び、間もなくして救急病院に搬送されたのですが既に死んでいるようにピクリとも動きませんでした。

僕とお袋は泣くに泣きました。

よりによってこんな時に…と嘆いていると医者が蒼白な顔をして走ってきました。

『緊急措置のために胸部を切開したのですが…その…ないんです、内臓が。何もかも。』

僕はデシャヴに固まりました。

お袋も茫然としていたように思います。

当然打つ手はなく、親父は息をひきとりました。

僕とお袋の間にはそれから重い空気が流れました。

とりあえず、しばらく鬱々とドアも窓も締め切ったまま、現実を受け入れられず親父の遺体の横たわるベットのある部屋に二人で引き込もっていました。

そして担当医が入ってくると同時ぐらいに今度はお袋が倒れました。

慌てて担当医はベットの脇から担架を出して、僕と彼でお袋を乗せた瞬間、僕らは顔を見合せました。

人間一人にしては軽すぎる…

当然、お袋も緊急手術室につれていかれたのですが、死因は親父と全く同じでした。

僕はとりあえず家に帰されました。

誰もいない戸建てで、僕はポツンと独りでした。

まるでこの世から誰もいなくなったかのような家の静けさは今でも覚えてます。

年が明け、僕に新しく彼女が出来ました。

愛していたか愛していなかったかと言えば愛していたようにも思います。もうよく覚えていません。

丁度この頃から僕はあの不可解な一連の出来事について考察を始めました。

4つのことに共通していることは、僕と親密な関係であったこと。

ですが、彼女は今のところ無事ですし、会社の同僚や友達も恙無く日常生活を送っていたので、親密なだけが原因とは思いづらい。

そこでよくよく考えた上で、僕は一つの仮説を抱きました。

『僕と一定以下の狭さの密室に一定時間以上一緒にいることが絶命条件』

僕の呼気に毒が含まれるのか僕自身から放射線のようなものが出てるのか…

細かいことは分からないので、僕は簡単な実験をすることにしました。

まず僕はマウスの代わりのハムスターを5匹とケージを4つとストップウォッチを買ってきました。

1匹をゲージに入れ、犬とクリスマスローズの絶命した僕の寝室に置き、1匹をその横にアクリルケースで部屋の空気と遮断した上で置き、1匹を寝室よりやや広いリビングに、残りの2匹僕と接触せず空気も共有しないベランダに毛布でくるんで防寒した上で置きました。

僕は一呼吸おき、ストップウォッチで時間を測り始めると同時に寝室に入りドアを閉めました。

きっかり1時間が経った瞬間、さっきまでチョロチョロ動き回っていたのに突然部屋の2匹ともが絶命しました。

お腹を触るとやはり内臓がないようでした。

次はリビングで1時間過ごしてみましたがハムスターは元気でした。

そのハムスターとストップウォッチを持って寝室よりうんと狭いトイレに籠ってみましたが、やはり絶命までの時間はきっかり1時間。

さらに換気扇を回した状態のトイレでも同じことをしましたがやはり結果は同じでした。

最後のハムスターで30分一緒に寝室にいて、一瞬だけドアを開けてみてまた30分一緒にいるというのをやってみたり、一瞬だけ部屋の外に出してみたりしたのですがぴんぴんしてました。

試しに30分を59分にしても同じ結果。

そこで僕は

『僕と一定以下の狭さの密室に一定時間以上一緒にいること』

いや、もっと言えば

『僕と六畳以下の部屋にきっかり1時間一緒にいること』

が絶命の条件だと確信しました。
しかし、1時間というのはハムスターが小さな生き物だからかも知れない。

そこで僕はやはり実寸大の手頃なモルモットが必要だと思い、ゲームをしようと言って彼女を部屋に誘いました。

多くの命を救うためだと言えどもやはり僕は心が痛かった。

…そして…やはり結果から言うと僕の仮説は普遍でした。

彼女の亡くなるまでの1時間、僕らはベットに腰かけてwiiをしてたんですが、正直僕にとってゲームの方はどうでもよかった。

最後の5分、僕は彼女をかたく抱き締めてじっと目を瞑ってました。

愛しているとかいないとか、そんな次元じゃなくて、散り行くものをいとおしむ心…でしょうか。

彼女はキョトンとしながらも僕に寄り添っていました。

あの時ほど二人が無我の境地で一つになれたことはなかった。

そして、彼女が硬く軽くなり、僕はそれを見届けて119番に電話をかけたんですよ。」

江村は唾をのんだ。

何を言ってるんだこいつは…

大体彼女をモルモット扱いだなんてシリアスキラーか?いや、統合失調症による妄想と現実認識の失敗…?どちらにせよ冷静な状態でこれは危険だな…早く手を打たねばろくなことにならない…か。何せ内臓を取り出すような愉快犯らしき一面を持ってるからな。

間違いなく陽性だ。刑事がきたら精神科病棟に連れていこう。

「そうですか、それは大変でしたね。刑事さんが来たら私たちと一緒に来てくれますか?ここは居心地が悪いですしね。」

「えぇ…そうですね…。まぁそれが出来ればなのですが…。僕は一応最初にろくなことにならないと言ったんですがね。」

時計はもうすぐ1時46分を指そうとしていた。

Fin

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2011年8月18日 (木)

もんきー☆そふぃすと

ある動物園の猿山に1匹の猿がいた。

そういえば私は何故こんなところにいるのだろう?

私は来る日も来る日も人から見られている。

そもそも何故ここから出ないのか。出よう。

彼はすっくと立ち上がると檻の隙間から手を出してつまみを回し、丁寧に鍵を開けて、そして出ていった。

戸締まりは忘れないように、な…

広大な夜の動物園に猿が1人。それは彼にとって生まれて初めての外出だった。

「やあ、麒麟さん、元気かい?ペンギンさん今日もお勤めご苦労様。」

嬰児のような眼差しで目の前の猿を見ている動物達を後目に、彼は動物園を後にした。

ふむ、まず裸をどうにかしたいな…

彼は町の一角にある服屋の戸を叩いた。

「夜分遅くにすみません、ご覧の通り私は裸です。これでは恥ずかしいので何か着るものを仕立ててくれませんか?お金は持ってませんが、私のような者が着て歩けばきっと良い宣伝になると思います。」

店の主人のお爺さんはびっくりしながらもにっこりと微笑み、彼の為に上等な背広を仕立ててやった。

「裸足では怪我をするでしょう?これも持っていきなさい、私の息子が昔履いていたものだ。」

彼は店の奥から小さな革靴を引っ張り出してきて、猿に差し出した。

「私のような者のためにここまでして下さってどうもありがとうございます。この御恩は一生忘れません。」

お爺さんとかたく握手をして彼はお店を後にした。

さてどうしようか…何か職が無ければ私はここで食べてはいけないな…

彼が通りをぶらぶらしていると、遠くからお巡りさんがやって来た。

「こら待ちなさい!猿がこんなところで何をしてる!さては動物園から逃げたしたな!!」

「まぁまぁ落ち着いて下さい、お巡りさん。私は逃げませんから。」

お巡りさんは目を白黒させ、じっと猿を見据えた。

「君はこんなところで何をしてたのかね。」

「歩いてました。いけませんか?」

「猿がこんなところで歩いていてはいけないに決まっているだろう。」

「ほう…では人間ならどうでしょう?人間が通りを歩いていたら逮捕されますか?」

「そんなわけないだろ」

「なら私がここを歩いていただけで拘束されるのはおかしいですよね?」

「何を言ってるのかね。君は猿じゃないか。」

「何故、そう言い切れるのですか?」

「えっ?」

彼の深い紅茶色を湛えた眼がお巡りさんを捕らえた。

一呼吸置き、彼は続けた。

「あなたは、手を無くした人を見てどう思いますか?当然人間と見なしますよね?では両足の無い人はどうでしょう?やはり人間と見なしますよね?同様にして眼が無い人も顔の潰れた人も植物状態の人でさえも人間と見なしますよね?

私は確かに他より少々毛深いですし尾もありますが、ご覧の通り立って歩き、考え、そして話します。人間とは言語と道具を操り直立二足歩行をする動物でしょう?ならば私はまさに人間ではないですか。それとも他に人間を人間たらしめる上でそれ以上に大事な要素があるのでしょうか?」


お巡りさんはすっかり困ってしまった。人間とは一体何をもって人間たりえるのだろうか?

彼は再び歩きだした。

私の売りはなんといってもこのユニークな見た目だろう。だったらこれを生かす職につくのが一番だな!

彼がまず思いついたのはサーカスだった。

だが「喋る猿」として面白がられるのが関の山だと悟った。

ではテーマパークはどうだろう?
…いや、あそこはキグルミの天下だから私の需要はないだろう。

最終的に彼はテレビ局を訪ねてみることにした。

「…うーん確かに君は面白いが…猿はなぁ…」

「ダメでしょうか?私なら一度見たら忘れられないインパクトを視聴者に与えられると思うのですが。」

「いやしかしだな…」

「いいじゃないか、面白い!君を採用しよう!」

「しゃ、社長!?」

「他にはないうちの目玉になりうるのに何故落とすか分からんな。守り態勢ではチャンスを逃すぞ!一か八か冠番組をゴールデンにぶちこもう!」

「ありがとうございます。目一杯やってみます。」

そして彼はとあるクイズ番組の司会になった。

高が猿がお高くとまっている芸能人の無知を暴き出すという爽快感に人々は夢中になった。

これが後のおバカキャラブームの先駆けである。

fin

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2011年5月 8日 (日)

最後の女神・上

一番最後に見た夢だけを人は覚えているのだろうか。

幼い日に見た夢を思い出してみないか。

「ライン、こんなところにいたの。もうすぐワープ圏に入るから部屋に戻りなさい?」

「あぁ、母さん…。ここを過ぎたらもう地球は見れなくなるんだろ?だったらもう少しここにいたいんだ。」

~最後の女神~

―西暦3031年、ステラ地区。2本の川に挟まれた肥沃な土地には自然が溢れ、子供たちの遊び場としては最高の立地だった。

「ティア!こっちこっち!早く!!」

「あーん、速いよライン~待ってぇ~!」

「ほら、ついた。ここが星渡りの丘だよ!」

そこには名に響きに恥じぬ美しい風景が広がっていた。眼下に広がる伝統息づくステラの街と中央に威風堂々と聳える大聖堂。そしてそれを取り囲む中世に建てられた城壁と地を這うが如くうねるメテオ川にネビュラ川。それ以外はひたすらに草原と森林と青空ばかりがある。

「…素敵」

圧倒されたティアは蚊の鳴くような声をやっと絞りだした。

「だろ?いい眺めだよな!でもここは昼間より夕方の方が綺麗なんだぜ!街が太陽に飲まれて燃えてる見たいに真っ赤になるんだぜ!んで夕日を窓側反射してキラキラ光るんだ!…そして最高なのが夜。まるで星の神殿みたいだぞ…!教科書の比じゃないだ!」

2895年に国際連合で環境と景観の向上のために定めた規約により、工場・研究所といった工業的な人工物がおよそ全て地下空洞に移されて以降というものの、このステラ地区のような昔の面影を残す街では人工的な明かりが減って、肉眼で五等星ぐらいまでは見えるようになった。それから、人類が行く行くは他の惑星に行き、その土地を産業の拠点とする可能性も加味して、学校では積極的に天文学を講義するようになったのだった。

「天体観測…してみたいなぁ、ここで。」

「え?すればいいじゃん」

「ダメだよ。だって夜にこんなところまで来るのは危ないって親に止められちゃうよ。」

「おれがさ、連れ出してやるよ!」

「え、でも、ライン…」

「月が沈んで親の寝静まった夜の2時でどうだ?」

「いや、そんなことしちゃ…」

「だって行きたいんだろ?綺麗だぞ?」

「…うん」

「なら決まりだ決まり!じゃあ今夜な!携帯ならすから、なったら出てこいよ!じゃな!」

小型の天体望遠鏡、星座早見盤、スケッチブック、筆記用具…えっと…持ち物こんなもんでいいかな?

『ピリリリ♪ピリリリ♪』

窓から下を見下ろすとラインが大きく手を振っている。誰も起こさぬようそろそろと階段を降りると、ティアは勝手口から出て鍵を閉めた。

興奮と期待に胸騒ぎの止まらぬ二人は城門をくぐり、草原に出て、歩いて歩いて歩いた。
木々のカーテンが開くと星渡りの丘の地平から無数の星達が登る。どっぷりと光の散りばめられた闇夜に包まれて、ティアは不思議な安堵感に溺れてしまいそうな気がした。

「その辺に座ろうぜ。」

視界の開けたところに腰を下ろすと、地面ついた手のひらから冷たく心地よい草の感触が伝わってくる。
目線をあげて良く良く見ると、はっきり天の川が見えるではないか。そして一際輝くデネブ、ベガ、アルタイルにアンタレス。

「ほら、軽食持ってきたんだ!食わないか?」

「えっいいの?ありがと!」

サンドイッチを頬張りながらティアはいそいそと望遠鏡を取り出した。

「おい、恒星はそれでみても変わらないぞ?」

「いいの!土星見るんだもん!」

「お、いいな!後でおれにも見せてくれよ!」

「後でね」

レンズを覗き込むと見慣れた模様つきのあの球体とリングが見えた。非常に慣れ親しんだ、でもちょっと行こうと思って行けない微妙なこの距離感はティアにとってもどかしかった。いつかお金をためて、二人でロケットに乗って星巡りをしようというラインとの約束がぼんやりと頭を横切る。

丁度その時だった。

夏の大三角形の中央に見たことのない光が、それも相当眩い光が現れた。

「・・・・?何あれ・・・?変光星・・・・?」

「え?どれどれ?」

「ほら三角形の丁度重心のあたりに・・・ねぇ・・・なんか大きくなってない・・・・?」

「・・・・なんだあれ・・・?」

二人が呆然と見遣っているとチラチラとあちこちから星が流れ始め、やがて凄まじい数の流星が降ってきた。神秘的な光景と言うよりは寧ろ悍ましく美しい光景だった。創世記にあるソドムとゴモラを焼いた空の火はこのようなものだったのかも知れない。土砂降りの流星のなか、あの星が一際明るく輝くと一筋の光が放たれ、電車がホームに入ってくるかのように丘のある場所を照した。

やがてあの星が消え、流星がなくなっても、光を受けたその場所は地面に光の波紋を広げながらぼんやり輝いていた。

「今の…すごかったな…」

「…うん…」

小刻みに震えるティアの手を握り、ラインは暫く光る地面を眺めていた。

「なぁあの土だけなんでまだ光ってんのかなぁ?」

「さ、さぁ…。」

「変なことしないほうがいいかな。…帰ろうか?」

「うん…。」

 

 

そして翌日ラインが目覚めてリビングに降りると家が何処と無くいつもと違う緊張感に満たされ、母親がバタバタと何かの荷仕度をしていた。ふとつきっぱなしのテレビを見ると、土曜の朝の和やかな番組の代わりに緊急のニュースが放映されているではないか。

『天文省より緊急避難勧告がなされました。本日未明、シヴァ彗星の軌跡への接近に伴う流星群が確認され、約一週間の後に彗星と衝突する危険性が極めて高いとのことです。天文省の適合判定ゲートをくぐり許可証を受け取って、速やかに脱出ロケットに乗り込んで下さい。これは訓練ではありません。繰り返します、天文省より緊急避難勧告がなされました。』

昨日の出来事が理解出来たと共に、ラインはことの重大さに気がついた。シヴァ彗星との衝突?冗談じゃない!一体どれだけ大きな天体だと思ってるんだ!

「母さんこれ!」

「やっと起きたのね、ライン。ほらあんたも早く地球を発つ準備をなさい!」

「え、あぁ、うん。あ、ねぇ、この適合者なんたらって何…?」

「あぁ気にしなくて良いわよ。シヴァ彗星は目標物に向かって進む性質があるから、その目標物に選ばれた人間、つまり"器"はロケットに乗れないの。でも器は星渡りの時に彗星の光が指し示した場所に最も近かった1人がなるから、街にいた私たちには関係ないわ。」

それを聞きラインは嫌な胸騒ぎを感じ、サッと血の気が引くのを感じた。

「乗れないって…それ見捨てるってこと…?」

「仕方ないわ。大勢の命の為の匿名の1人の犠牲は必要不可欠なのよ。さ、とりあえず先ずは検査を受けて通行証を貰いましょ。」

「うん…。」

ラインは頭が真っ白だった。母さんに本当のことは言えない。あの時一番近かった人が器?もうわかりきってるじゃないか!重い足を引き摺って検査ゲートへ向かった。

「金属類は持ってませんか?このゲートをくぐるだけで大丈夫です。はい、オッケーです!許可証渡しますね!」

ホッと一息ついたのもつかの間、ラインは自分が器で無いことが何を意味するのかすぐに悟った。違っていてくれ…!絶望的に起こり得ないであろう希望的観測を胸にラインはティアの元へ走った。

つづく

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2011年4月 2日 (土)

またね

宣言通り行きますよ、小説。

1年ぶり?いやもっとかなw

ひっさびさすぎて書き方ようわからんwww

とりま季節的に短めの卒業ものいってみる

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

「以上をもちまして平成22年度西大宮高校の卒業式を終わります。一同、礼!」

はたと気づくと私の高校生活は最終日だった。

・・・もうこの校舎に来ることもなくなるのか。

在校生や先生方の拍手に背を押され、私は体育館の外へ追い出される。

何の実感もないまま、空っぽな私はただ先導されるがままに教室へ戻った。

あっけない。実に。

最後のHRが終わっても、私はうまく波に乗り損ねたみたいで、ちっとも涙は出てこなかった。と、言うよりは卒業に自覚をもてなかったというほうが正しいだろうか?解散の後もしばらく教室に残り、いつも通りじゃないいつもの放課後を過ごしていた。あのアルバムはおすすめとか、駅前に出来たカフェのドーナッツがおいしいだとかどっかで聞いたことあるような会話が続く。

「終わり・・・終わりねぇ・・・・。もう明日は授業ないんだよね?」

ぽつりと瑞穂が呟く。バカ、卒業したんだから当たり前じゃない。

「なんていうの、ほら、最後ぐらいさ、、、校舎にお別れとかして回んない?どうせこの後遊ぶにしても1回帰って着替えるんでしょ?」

彼女の提案で私らは愛しの学び舎を歩いて回った。音楽室、視聴覚室、図工室、理科室、家庭科室・・・・様々な部屋を通り過ぎるごとに、私の頭に3年間の記憶がフラッシュバックするのだった。ホールピペットでお酢を勢いよく吸い込んでむせたこととか、絵の具を派手に制服にぶちまけたこととか、当時は洒落にならないと思った失敗談ほどいい思い出なるものなのね。でもあれもこれももう二度と戻ってこない日々だと思うと、胸の辺りになんかもやもやしたものが居座った。別れを前にしたこの独特の緊張感。ああ、来る!来てしまう!全部が終わるときが・・・・!

一通り見終わって、いよいよ私たちも家路につくことにした。

「いやー長らく通ったこの校舎ともおさらばかー。寂しいなぁw散々授業サボったりしたけど、そんなことせずにもっと学校生活を満喫すればよかったわ。ささ、こんなときぐらいビシッと決めよ!一同!我らが西大宮の校舎に礼!」

沙紀の号令にみんなで夕日を背に校門越しの礼を校舎にする。こんな小っ恥ずかしいことは普段なら絶対に出来ないけど、今日は何のためらいも無くできた。というより、やらなければならないような圧力を自分の内側から感じた。今、この時を逃せば、もうこの学校にお礼をすることが出来ないぞ、と。意味わかんね。でもあってる気がするから不思議。

校門からはてんでばらばらの方向に帰らなきゃいけないってことがこんなに嫌になるのは初めてだわ。「じゃあね」と、背を向け各々歩き出した。彼女らがもう振り向かないように、楽しかった高校生活ももう絶対戻ってこないんだ。そう理解した瞬間、胸のもやもやが溢れ出してきた。ぽろぽろと出てくる涙に思わず目を固く瞑る。嫌!嫌!!行かないで!!!全部を引き止めたくって、私は思わず手を伸ばそうとし、やめた。

過去はいつでも素敵な思い出に溢れてて今は思い出に勝てっこないけど、私はもっともっと大きな幸せの為にどんなに気が乗らなくても歩かなきゃいけないのよね。

そして一歩また一歩と力強く歩むあの子らの背中を見る。

もう二度と会えない今の君たちへ、またね。

Fin

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

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2008年1月19日 (土)

黄昏の間

駅から家に帰る道ってさ、めっちゃ怪しいんだよね、うちの近辺。でっかい道路渡るまではまぁいいんだけど、渡り終えて少し細めの道に入るとまっすぐつきあたりまで200mぐらいあるんだけど、つきあたりのとこにちっちゃくて古い神社があってそこへ行くまでにお墓と古いアパートやらお寺やら廃校になった小学校やらが建ってるんだけど、塾とか学校とかの帰るぐらいの時間帯は誰もいないし常に風で木々がざわついててめっちゃいやな感じなんだよね。んでさ、そのあたしが帰路として使ってる道にとある伝説があるんだ。黄昏時に現れるといわれている『黄昏の間』がね・・・・

~黄昏の間~

その道の途中に昭和の高度経済成長期ぐらいにはモダンなアパートとして使われてた建物があって、今は誰も住むはずもなく、取り壊されるのを待つだけの廃墟でお世辞にもきれいとは言えない。そこには廊下と呼べるほどのものは無く、一つの階に一つの扉しかない。そんな建物でもエレベーターが一つ備わっている。中はとても狭くて大人が4人ぐらいで精一杯といった感じ。でもそのエレベーターにこそ不思議な力が備わっているらしい。

黄昏時に真っ赤な蝋燭を一本持ってそのエレベーターに乗ると、あるはずのない7階のボタンが増えているらしい。そのボタンを押すと赤い蝋燭に勝手に火が灯る。エレベーターの戸が開くとその先は真っ暗で、一歩踏み出すとそこに無数の明かりがポツポツ灯り始める。それは全部蝋燭の明かりで、それらの蝋燭の太さや長さはばらばらで一つ一つに名前が書いてある。つまり、あの有名な命の残量を示した蝋燭のある空間、黄昏の間にいけるというわけだ。

その数え切れないほどの蝋燭から自分のものを見つけると寿命を延ばせるらしい。黄昏の間には管理人がいて、自分の蝋燭を見つけると現れる。管理人は真っ黒なローブをまとった盲目の男だといわれているが、骸骨姿の死神だとも言われている。その者は到底人間とは思えないようなおぞましい声で「生贄は何処だ」と問うらしい。そしたら、ただ黙ったまま持ってきた赤い蝋燭を差し出す。すると管理人は、赤い蝋燭と引き換えに他人と自分の蝋燭を取り替える権利をくれる。自分より太く、長く、光の輝きの強い蝋燭を選べば延命できる。

でも、自分の蝋燭を探すのには制限時間がある。それは夕日が完全に沈むまで。つまり、黄昏から夕日が沈むまでの短い時間の間に何十億もの蝋燭から自分のを見つけなければならないということ。時間が来るとエレベーターはひとりでに閉まり、再び一階へ戻っていく。見つけられなくても制限時間までに戻れば帰れるが、寿命は赤い蝋燭分になってしまう。しかしもし乗り遅れれば、永遠にその空間を彷徨うことになる。エレベーターの扉が閉まればすべての明かりが消え、自分でも気づかないうちに管理人に首を狩られてしまうらしい。

日が沈むと時折エレベーター前に赤い蝋燭が落ちていたり、無人のエレベーターが一階に来るらしい。あくまでも噂だけど・・・・・・。

終わり

あとがき

この物語の舞台になったアパートのある怪しい道はホントにあたしの帰路なんだよね。まぁ危なっかしくって近寄ったことは無いけど・・・。

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2007年12月 1日 (土)

悪夢症候群

さてと。。ブログで小説書いてみたかったんで駄文を綴ってみます(笑)

~悪夢症候群~

・・・ピピピピ。

目覚ましの音が僕の部屋に響き渡る。なんだか頭が痛い。悪い夢を見た気がするがよく思い出せない。

「翔ちゃん。朝ごはんは?」と、母が僕の顔を見て不安げに言う。

「いいや。今日は食欲ないから。じゃあ学校行ってくる。」

・・・いつもの通り学路を僕は急いだ。心なしか今日は人通りが少ない気がする。

学校について上履きに履き替えようと思ったが僕のだけ見当たらない。

「よ!翔!なにやってんだ?」

「おぉ、健太。・・・それが俺の上履きが見当たらなくって・・・。」

「・・・焼却炉にでもあるかもな。」健太がほくそえむ。

・・・焼却炉だって?そんなところに上履きを置く物好きはいないだろ。と、思いつつも僕はとりあえず行ってみた。そこには確かに僕の上履きがあった。ただし鋭利な刃物のようなものでずたずたに引き裂かれていた。

どうすることもできないので、僕はそれを持って教室へ向かった。

「よぉ。上履きはあったかい?中沢翔平君。」

・・・おかしい。クラス中の生徒がじっと僕のことを見ている。呆然と立ち尽くしていると桐道さんが僕のほうへ歩み寄ってきた。

「それやったの、実は私なんだよね。」

「・・・え・・。何で俺のを・・・?俺、何もしてないよな・・・?」

「・・・とぼけてんじゃないわよ。さんざん私達を苦しめたくせに!・・・長谷川さんの財布盗んだのも、浅野君の作品壊したのも、私の犬を殺したのもみんなあんたなんでしょ?・・・・もう我慢できない。・・・・許さないから・・・。」

各々が金属バットやら包丁やら凶器を出し始めた。何やってんだあいつら・・・。僕はいったい・・・。・・・・・。・・・・危ない、逃げなきゃ殺される!!命の危険を感じ、逃げようとしたときにはもう遅かった。僕は八方をふさがれた。

「やめろぉ・・・。やめてくれ!!誤解だ!誤解なんだ!!俺は何も・・・・」

「もう言い訳はうんざりだ・・・・。死んで詫びろ!!!」

・・・・・・・・・。

・・・ピピピピ。

目覚ましの音が僕の部屋に響き渡る。なんだか頭が痛い。悪い夢を見た気がするがよく思い出せない。

「翔ちゃん。朝ごはんは?」と、母が僕の顔を見て不安げに言う。

「いいや。今日は食欲ないから。じゃあ学校行ってくる。」

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