« Re: | トップページ | 秘技☆胃袋落とし »

2011年12月22日 (木)

Jolly Noel

1年で1番リア充な日、クリスマス。

その代名詞サンタクロースの妻こそリア充オブリア充、キングオブキング、つまりリア王(違)なんじゃないのとかそうじゃないとか、まぁその辺ぐちゃぐちゃしたアレを書いてみようと思ってだな…

短めで人死なない系をそろそろ書かねば。

物は試しと絵本口調にしてみた!教科書の朗読CDみたいな声に脳内変換してね!ね!

こんな子供向けのお話でもきっちり数字を引っ張ってくるのが理系クオリティです(キリッ

サンタさん丁度4世紀ぐらいに出現したらしいから、今サンタ暦約1600年目ぐらいなのよ!知ってた?

.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

遥か北、フィンランドの地。この雪と氷に覆われた場所には世界で最も有名な夫婦が住んでおります。サンタクロースとその妻、ヨウルマー。

「あなた、身だしなみはきちんとしたわね?ん、いいわ、いってらっしゃい。」

「それじゃあ行ってくるよ、ホホホ」

そう言って妻の手の甲に優しく口付けをすると、サンタクロースはトナカイに鞭をいれ、夜空へとそりを滑らせて行きました。

言わずもがな、サンタクロースの大仕事と言えばクリスマスイブに世界中の子供達にプレゼントを配って渡る事です。この日彼は北へ南へ大忙し、当然休む暇もなく子供達の笑顔のために駆け巡ります。

「今年も無事な旅を・・・・」

ヨウルマーは小さくなった夫の影を見ながらポツリと呟き、おもちゃ工場の小人達のための御馳走を作りに家へ戻っていきました。

さて、サンタクロースが空を飛べたり不思議な力をもっているといっても、たった一人では世界中の子供達の家に行くことなど出来ません。ではどうするのかと言いますと、実は時間を行き来することでやり繰りしているのです。

具体的には、1日後のサンタ、2日後のサンタ、3日後のサンタ・・・・364日後のサンタと言う風に1日ずつずらして未来の自分をつれて来て、12月24日と25日の日付の境界に沿って並び、各々の担当地区にプレゼントを配りながら、日付境界線と共にきっかり24時間で地球を一周して戻ってきます。

しかしこれには勿論欠点もあります。地球上の全てのものは、1年に合計1年分の時間、つまり365×24=8760時間分しか活動できません。

365日分のサンタが24時間かけてプレゼントを配る・・・・そうすると自分の使える1年分の時間はすっかり使い切ってしまうのです。

それ故、ヨウルマーは孤独でした。世界の子供達におもちゃを配り終え、1年の間、深い深い眠りから醒めない夫を見ると、また若き日のように、彼と食事をして、散歩をして、夜通し喋り明かしたい、と、叶わない願望がむくむくと胸の深奥で芽生えていくのを感じました。

「サンタクロースは七面鳥の匂いもクリスマスプディングの味もデコレーションの楽しさも知らない、そんな皮肉な現実を子供達に知られなくない。ただただ私は子供達に笑って欲しいんだ。分かってくれるかい?ヨウルマー?」

彼がサンタクロースとしてやっていく、そう決めた時に私にそう言った。真剣な眼差しで。だから私もあの人の期待にこたえてあげたい。・・・・その気持ちだけが今のヨウルマーの原動力でした。

たった1回たった1年だけクリスマスをスキップできれば、どんなにいいことだろう・・・1回ぐらい玩具が来なかったところで、子供達が大人になる頃には忘れてしまうわ。

そんな考えが頭を過る時も、彼女は玩具工場でせっせとプレゼントを作り続けました。そしてそうこうしてるうちに1600年もの時が流れました。

「HoHoHoー!今帰ったぞ、ヨウルマー!今年も子供達は実に安らかで健やかじゃった。」

南の空からトナカイ達と共にサンタが帰ってきました。

フィンランドの冬は極夜で太陽は昇りません。

出て行ったときと全く同じ星空に抱かれて、満足そうな笑みを浮かべていました。

「いつもならワシはもう寝なければならぬ。・・・・じゃが今宵はお前と共に1日過ごせるのじゃよ。」

「えっ」

ヨウルマーはあっけに取られて目を瞬かせてサンタを見つめました。

「・・・だって・・・あなた・・・」

「閏年と言うものを知っているかね。4年に1度1年が1日だけ長くなると言うものじゃ。ワシは365倍のスピードで時間を使い切っているから閏年の度に4分弱ほどの猶予が生まれるだけなのじゃが・・・・それが積もりに積もって、今宵で丁度きっかり24時間分の余裕になったんじゃよ。」

髭に埋もれそうな目が優しく彼女に笑いかけました。刹那、ヨウルマーは恋人に会った少女のように、サンタの胸元へ飛び込みました。

「長い間ごめんよ・・・ヨウルマー。さあ、私達の1日遅れのクリスマスを楽しもう。」

「えぇ、よろこんで・・・!」

ヨウルマーは声にならない声をやっと絞り出し、満面の笑みを浮かべると、サンタの手を握り、母屋へと駆けて行きました。御馳走、クリスマスツリー、雪だるま作り、おしゃべり・・・彼女の中にはやりたかった沢山のことがどんどん溢れてきます。

しかし、時間は残酷なもので、楽しいときほどあっという間に過ぎていってしまうものです。

それはサンタにしてみても同じことで、1日などすぐに終わってしまいました。

「すまないな・・・ヨウルマー。そろそろお別れの時間だ・・・・」

我侭は言えない。こんなにも楽しいときを過ごせたのだから。そう頭では分かっているのに何故だか涙が止まりません。

「私って・・・欲張りね、ハハ。」

寂しげな笑顔を浮かべます。

そんな彼女にサンタクロースはポケットから小さな箱を取り出して渡しました。

「お前へのプレゼントだ、ヨウルマー。ささやかじゃが受け取ってくれ。おやすみ。また来年。」

そういうとサンタは彼女の頬に優しくキスをして、母屋の寝室へと行ってしまいました。

「Dear my lady,with all my love.Santa」

と書かれたクリスマスカードを添えられた小箱を開けると、雪の結晶の形をした、キラキラ光るイヤリングが入ってました。

彼女はそれを付けると寝室へ行き、すやすや眠る夫の頬にキスを返して呟きました。

「私も愛しているわ。これからもずっと。」

Fin

今回の目標:爆発させる気にならないリア充

|

« Re: | トップページ | 秘技☆胃袋落とし »

小説」カテゴリの記事

コメント

泣いても良いですか(´;ω;`)

投稿: みき | 2011年12月23日 (金) 07時30分

今回は比較的ハートウォーミングやろうに(笑)

投稿: らっこ | 2011年12月23日 (金) 11時08分

ハートウォーミング故にです、泣いちゃう(´;ω;`)

投稿: 絶賛合宿中のみきさん | 2011年12月23日 (金) 15時10分

どーぞご自由にお泣きくださいw

投稿: らっこ | 2011年12月23日 (金) 17時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/503661/43438995

この記事へのトラックバック一覧です: Jolly Noel:

« Re: | トップページ | 秘技☆胃袋落とし »