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2011年9月 8日 (木)

くそみたいにちゅーになもんかいてみたいからかいてみた

例えば一人の人間がいたとしよう。

彼が何ら問題なく存在していくためには、彼の存在は存在することに適合しなければならない。

ではここに存在不適合者を仮定してみよう。

全宇宙の物理法則から爪弾きにされ、存在するべくして存在していない、まるで虚数のようなそんな在ると無いの間の宙ぶらりんな存在を許されない、そして他の存在を脅かす存在。

~マージナルマン~

「…と言うと、何かね、君自らはやってない言うのかね。」

「はい、刑事さん。」

その刑事は一通り男の話を聞くと嫌そうに顔をしかめた。

「いやしかしそうは言っても君は殺人犯であるという容疑は晴れないんだよ。…はぁ…あーちょっと、君、君、彼を精神鑑定の方へ回してくれるか?精神科なりカウンセラーなり手配してくれ」

「!!なんでですか刑事さん!私は至って正常です!私は人に手を下したことはありません!」

「最初はみんなそう言うんだよ。況してや君は重罪の容疑をかけられてるんだからね。慎重すぎるぐらいでいいんだよ。」

すると子供に諭すように彼は肩をぽんぽんと叩いた。

チラリと時計を見る。12時46分丁度を指していた。

「…信じてくれないならいいです。ですが僕を拘束するだけじゃまた人が死にますよ…。刑事さん、あなただって僕と接触したからにはあまり良いことにはならないと思いますが…。」

「はいはい。お?来たか、バトンタッチだ!いやーなかなか手強いから気をつけろよ?ほら君、こいつに全部話したまえ」

男は腹立たしさよりむしろ悲しさを感じていた。どうしてこう普通と違うことが起こるだけで精神異常と決めつけて話さえも聞かないのか。折角警告してるのに!たまらなくもどかしかった。

ぼんやりとどこを見るでもなく視線を落としている男に、刑事の呼んだ男が優しく話しかけてきた。
「はじめまして、江村と申します。さっきのお話、私にも聞かせてくれませんか?」

彼は背の丈がやや高く、銀の丸い眼鏡の奥の柔らかな眼差しが印象的な男だった。

「構いませんよ、が、私に関わるとろくなことになりません。それでもいいですか?」

彼は応える代わりにもう一度微笑んだ。

「初めて違和感を感じたのは去年の冬のことでした。

うちで可愛がっていたクリスマスローズが突然枯れちゃったんです。元気だったのに。

最初は肥料の量間違えたかな?とか水あげすぎたかな?とかそれぐらいしか考えてませんでした。

そして仕方ないから処分しようと思って鉢植えのクリスマスローズを引き抜いて気づいたんです。根が丸々ないって。

猫がやったのか、子供がやったのか。僕は大切なクリスマスローズをダメにされたことに憤りを覚えました。

そしてその数日後、僕の愛犬が突然死んでしまいました。

一人暮らしの僕にとっての唯一の家族だったので僕は絶望と悲しみに潰されそうでした。

本当についさっきまですやすやと眠っていたし、日中は跳ね回ってピンピンしてたのに!

まだ4歳でしたし寿命じゃないのは明らかでした。

病気に気づいてあげられなかった…と、犬を抱き締めてみてはたと気がつきました。

あまりに軽い、と。

ゴールデンレトリーバーの体重は40kg近いはずなのに、まるでぬいぐるみを持ち上げたかのような手応えのなさに僕は狼狽しました。

犬の胸を叩くとポンポンと太鼓のような小気味のいい音が鳴りました。

そして僕はしばらく考えて覚悟を決めてから、彼をカービングナイフで開いてみて、彼の内臓という内臓が何もなく、腹腔がすっからかんだということを知りました。

誰かにやられたのかとも思いましたが傷口はありません。

涙は引っ込んでしまってました。

僕の悲しさは恐怖に飲み込まれてよく分からなくなっていたのです。

しばらくして年末の頃になり、僕は実家に帰りました。

久しぶりに食べる温かなお袋の料理でここんとこ起こっていた不可解な事件のことを束の間忘れられ、痼を解されたゆったりとした気持ちで、新年を迎える準備に親父と倉庫の整理をしてた時です、突然親父が倒れました。

お袋が必死に親父の名前を呼ぶ傍ら、僕は救急車を呼び、間もなくして救急病院に搬送されたのですが既に死んでいるようにピクリとも動きませんでした。

僕とお袋は泣くに泣きました。

よりによってこんな時に…と嘆いていると医者が蒼白な顔をして走ってきました。

『緊急措置のために胸部を切開したのですが…その…ないんです、内臓が。何もかも。』

僕はデシャヴに固まりました。

お袋も茫然としていたように思います。

当然打つ手はなく、親父は息をひきとりました。

僕とお袋の間にはそれから重い空気が流れました。

とりあえず、しばらく鬱々とドアも窓も締め切ったまま、現実を受け入れられず親父の遺体の横たわるベットのある部屋に二人で引き込もっていました。

そして担当医が入ってくると同時ぐらいに今度はお袋が倒れました。

慌てて担当医はベットの脇から担架を出して、僕と彼でお袋を乗せた瞬間、僕らは顔を見合せました。

人間一人にしては軽すぎる…

当然、お袋も緊急手術室につれていかれたのですが、死因は親父と全く同じでした。

僕はとりあえず家に帰されました。

誰もいない戸建てで、僕はポツンと独りでした。

まるでこの世から誰もいなくなったかのような家の静けさは今でも覚えてます。

年が明け、僕に新しく彼女が出来ました。

愛していたか愛していなかったかと言えば愛していたようにも思います。もうよく覚えていません。

丁度この頃から僕はあの不可解な一連の出来事について考察を始めました。

4つのことに共通していることは、僕と親密な関係であったこと。

ですが、彼女は今のところ無事ですし、会社の同僚や友達も恙無く日常生活を送っていたので、親密なだけが原因とは思いづらい。

そこでよくよく考えた上で、僕は一つの仮説を抱きました。

『僕と一定以下の狭さの密室に一定時間以上一緒にいることが絶命条件』

僕の呼気に毒が含まれるのか僕自身から放射線のようなものが出てるのか…

細かいことは分からないので、僕は簡単な実験をすることにしました。

まず僕はマウスの代わりのハムスターを5匹とケージを4つとストップウォッチを買ってきました。

1匹をゲージに入れ、犬とクリスマスローズの絶命した僕の寝室に置き、1匹をその横にアクリルケースで部屋の空気と遮断した上で置き、1匹を寝室よりやや広いリビングに、残りの2匹僕と接触せず空気も共有しないベランダに毛布でくるんで防寒した上で置きました。

僕は一呼吸おき、ストップウォッチで時間を測り始めると同時に寝室に入りドアを閉めました。

きっかり1時間が経った瞬間、さっきまでチョロチョロ動き回っていたのに突然部屋の2匹ともが絶命しました。

お腹を触るとやはり内臓がないようでした。

次はリビングで1時間過ごしてみましたがハムスターは元気でした。

そのハムスターとストップウォッチを持って寝室よりうんと狭いトイレに籠ってみましたが、やはり絶命までの時間はきっかり1時間。

さらに換気扇を回した状態のトイレでも同じことをしましたがやはり結果は同じでした。

最後のハムスターで30分一緒に寝室にいて、一瞬だけドアを開けてみてまた30分一緒にいるというのをやってみたり、一瞬だけ部屋の外に出してみたりしたのですがぴんぴんしてました。

試しに30分を59分にしても同じ結果。

そこで僕は

『僕と一定以下の狭さの密室に一定時間以上一緒にいること』

いや、もっと言えば

『僕と六畳以下の部屋にきっかり1時間一緒にいること』

が絶命の条件だと確信しました。
しかし、1時間というのはハムスターが小さな生き物だからかも知れない。

そこで僕はやはり実寸大の手頃なモルモットが必要だと思い、ゲームをしようと言って彼女を部屋に誘いました。

多くの命を救うためだと言えどもやはり僕は心が痛かった。

…そして…やはり結果から言うと僕の仮説は普遍でした。

彼女の亡くなるまでの1時間、僕らはベットに腰かけてwiiをしてたんですが、正直僕にとってゲームの方はどうでもよかった。

最後の5分、僕は彼女をかたく抱き締めてじっと目を瞑ってました。

愛しているとかいないとか、そんな次元じゃなくて、散り行くものをいとおしむ心…でしょうか。

彼女はキョトンとしながらも僕に寄り添っていました。

あの時ほど二人が無我の境地で一つになれたことはなかった。

そして、彼女が硬く軽くなり、僕はそれを見届けて119番に電話をかけたんですよ。」

江村は唾をのんだ。

何を言ってるんだこいつは…

大体彼女をモルモット扱いだなんてシリアスキラーか?いや、統合失調症による妄想と現実認識の失敗…?どちらにせよ冷静な状態でこれは危険だな…早く手を打たねばろくなことにならない…か。何せ内臓を取り出すような愉快犯らしき一面を持ってるからな。

間違いなく陽性だ。刑事がきたら精神科病棟に連れていこう。

「そうですか、それは大変でしたね。刑事さんが来たら私たちと一緒に来てくれますか?ここは居心地が悪いですしね。」

「えぇ…そうですね…。まぁそれが出来ればなのですが…。僕は一応最初にろくなことにならないと言ったんですがね。」

時計はもうすぐ1時46分を指そうとしていた。

Fin

もうちょっと最後のばそうかと思ったけど字数制限に引っかかったwwww\(^0^)/

てなわけで強制終了です(キリッ

うん。宣言通り厨二風味。書いといてなんだがえぐい←

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コメント

えぐいなら頼むから最初にそう言ってくれ… 面白かったからいいけど\(^O^)/

投稿: ばるーん | 2011年9月 8日 (木) 19時34分

すまん/(^0^)\
ちゅーにとか言ってる時点で気づくかなって←

お褒めにあずかり光栄です☆

つかあげてから読むまで早いなww

投稿: らっこ | 2011年9月 8日 (木) 20時11分

えぐすぎる、吐くorz..
流血物よりこゆ方がりあるにえぐいと思ふ。

らっこたんが厨2風とか珍しい(゚-゚)

投稿: みき | 2011年9月 8日 (木) 21時35分

だってそういうの狙ったんだもんw

たまには書いてみようと思ってねー

投稿: らっこ | 2011年9月 8日 (木) 23時25分

すごいえぐさw

安部公房なみにえぐいぞ( ^ω^ )

とゆーことは安部公房も中二病?w

投稿: にしこ | 2011年9月12日 (月) 22時25分

安部さんこんなにエグいんかww
砂の女ぐらいしか分からないからよう知らん^p^

文学作品のえぐみってちゅーにとの線引き難しいよねー

投稿: らっこ | 2011年9月13日 (火) 07時47分

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